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【速報】不動産に纏わる令和8年度税制改正の概要

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株式会社石田興産の石田裕人です。久しぶりの投稿になりますが、衆議院解散選挙が始まり、

これからの政権によっても税制改正がどのように変わっていくかわからない部分もあります

が、私が特に気になるのが不動産に纏わる税制改正です。

令和8年度税制改正大綱では、相続税法の時価主義の下、貸付用不動産の市場価格と相続税評

価額と乖離の実態を踏まえ、その取引実態等を考慮し、令和9年1月1日以後の相続・贈与に

より貸付用不動産の評価方法を見直す事としています。

また、住宅ローン控除については、カーボンニュートラルや世帯規模の変化を踏まえた対応と

して、長期優良住宅やZAH水準省エネ住宅を優遇する措置を維持した上で、既存住宅の利活用

の促進や床面積要件の緩和などの拡充を行い、適用制限を5年間延長することとしています。

さらに、物価高への対応の観点から、物価上昇に連動して所得税の基礎控除等を引上げる仕組

みを創設するほか、就業調整に対応するとともに、中低所得者に配慮しつつ、所得税の課税最

低限を178万円まで引き上げる事としています。

こういった令和8年度(2026年度)の税制改正の予定を踏まえ、本コラムでは

この3つのテーマに沿って、具体的にどれくらいの金額が変わるのか、ポイントについて解説

します。


これまでは例えば「1億円の物件を買えば、相続評価額を約6,000万円(4割減)に圧縮できる」

のが常識でしたが、新ルールでは『5年以内』の取得に厳しい制限がかかります。

【具体例】1億円(土地7千万/建物3千万)のアパートを購入した場合

  • 現行制度(または取得から5年超経過後)
    • 評価額:約5,700万円(路線価や貸家建付地評価を適用)
    • 圧縮効果:▲4,300万円
  • 改正後(取得から5年以内)
    • 圧縮効果:▲2,000万円(節税効果が半分以下に!

ポイント

⓵相続・贈与前5年以内に取得した貸付用不動産は取得価格の80%評価

⓶適用開始時期は、令和9年1月1日以後の相続又は贈与から適用


今回の目玉は、子育て世帯が『広めの中古マンション』を買いやすくなる点です。

【具体例】30代夫婦+子供1人、4,000万円の中古マンション(省エネ適合)を購入

  • これまでの壁:45㎡の利便性の良い中古物件を見つけても、50㎡未満はローン控除の対象外でした。
  • 令和8年度以降:「40㎡以上」に緩和されるため、この物件でも控除が受けられます。
  • 減税額の差:子育て世帯なら借入限度額が上乗せされるため、最大で年間21万円(0.7%×3,000万円)程度の税金が戻ってきます。10年間で約200万円の差が出る計算です。

所得税の計算の起点となる「基礎控除」が大幅に引き上げられます。これはサラリーマンだけ

でなく、不動産オーナーの家族経営にもメリットがあります。

【具体例】妻に不動産管理の『専従者給与』を支払っているオーナー

  • 現在:妻の年収を103万円(基礎控除48万+給与所得控除55万)以内に抑えないと、妻に所得税が発生し、夫の扶養からも外れるリスクがありました。
  • 改正後:年収を178万円まで増やしても、妻の所得税はゼロのまま。
  • オーナーのメリット:夫(高い税率)の所得から178万円を差し引き、妻(非課税)に渡すことで、世帯全体の税負担を年間で10万円以上軽減できるケースが出てきます。

項目改正前(現在)令和8年度改正後
貸付不動産評価取得直後から大幅評価減取得後5年間は評価減を制限
ローン控除面積原則50㎡以上40㎡以上に緩和(子育て等)
所得税非課税枠103万円(基礎+給与控除)178万円へ大幅拡大

今後の戦略・動向

貸付用不動産の評価方法の見直しについては、原則として、取得から5年以内の貸付用不動産

の相続等対象としていますので、不動産取得から相続・贈与まで5年経過しているかどうかが

対策のポイントです。また、税制改正大綱の情報ではまだまだ不明点も多く、これらは今後の

通達を待つ必要があります。通達公表前にパブリック・コメント制度で通達案の公表が行われ

る可能性がありますが、必ず行われるとは限りません。今後の動向を注視した上で皆様に発信

していきたいと思っております。